須恵町新原墓地の納骨室の入り口改修と文字色修繕。フタ石が開かないお墓のお困りごと解決


ご覧いただきありがとうございます。博多の森石材店の寺田公平です。

須恵町にある新原の地域墓地にお墓をお持ちのお客様からのご相談。納骨室の入り口、フタ石が開かないお墓のお困りごとを解決いたしました。あわせて、文字の色の入れ替え等も行いましたので、その様子をお伝えいたします。

施工前後のお墓のようす

 

須恵町新原地域墓地、納骨室入口改修と文字色の入れ替え修繕

 

ご相談いただいた経緯とお墓の状況

当店がある志免町のお隣、須恵町の新原地域墓地にお墓をお持ちのお客様が、ご来店くださいました。以前から当店があることは知っておられて、ご来店くださったようです。お墓の納骨室にお困りの点があるとお話を伺って、お墓の場所を確認、後日見に行かせていただきました。須恵町新原は当店からもすぐ近くなので、お墓仕事でよくお声かけいただく地域です。

 

こちらがご相談をいただいたお墓です。大きなコンクリート製の納骨室の上に、和型の石塔が建てられています。墓前には置き灯篭も一対あります。

 

お客様がおっしゃっていたのは、この納骨室の蓋のようです。コンクリートで作られており、印のように割れてしまっていました。丸い穴に指を入れて少し浮かせて、手前に引っ張ると開くようになっていますが、なぜか全く動かなくなってしまっていました。お客様がおっしゃるには、中を見るため開けようとしたときに、「全然開かない!」と気付いたそうです。隙間なく作られていたため、地震で歪みが生じてしまい動かなくなったのか、はっきりとは分かりませんでしたが、割れてしまっていることもあって作り直しが必要です。

 

こちらはお墓の正面文字です。金箔が入っていましたが、ほとんど取れてしまっていました。

 

こちらのお墓は左側面に建立年月や建立者の方のお名前が彫刻されていました。昭和54年建立のお墓です。こちらも色が取れて読み取りづらくなっています。

 

花立と一体型の水鉢手前にあった家紋も同様です。金箔はほぼ取れてしまっています。お墓の文字の金箔は、大体20年くらいから劣化が進んでくるといわれています。こちらのお墓は建てられてから40年ほどが経っていますので、ここまで取れてしまうのも無理はありません。

お客様とお話をして、納骨室の前蓋の作り直しと、文字彫刻の色の入れ直しをお任せいただくことになりました。今回、金箔はきれいに取り除いて、新たに黒色を入れ直すことになります。

 

完成です!

工事完了です!

 

御影石で作り直した納骨室の前蓋です。以前とは違う構造で作成しました。以前の前蓋が開かなくなってしまった原因に、何らかの歪みがある可能性もあり、同じ構造で作り直すとまた同じように動かなくなってしまうことも考えられました。そこで、納骨口よりも少しだけ大きめな前蓋を作成して、中に入れ込むのではなく、シンプルに外からふさいで目地を入れる形をとりました。シンプルではありますが、もし周りに何かの歪みが生じてもこの構造なら問題ありません。

 

まずは、以前の前蓋を現地でカットして取り除きました。その下の部分はそのまま残し、新たに作成した前蓋の土台となる石をまずは設置します。その上に蓋石を設置して納骨口をふさいでいます。二つの石を組み合わせて、納骨口のふさぐ形です。印のように指をかけるところを作っていて、開ける時は上の蓋部分を手前側に倒して開けます。開閉できるよう、目地だけで留めています。また、石製なのであまり重くならないように、上に行くほど少しずつ薄くなるような形にしていますので、ご家族だけで開けてご納骨をすることもできます。

 

お墓の正面です。金箔から黒色に変更しました。色を入れ替える時は、既存の塗料や金箔を一度きれいに取り除いてから、改めて黒色を入れ直します。

 

側面です。こちらも細かい文字まですべてきれいに黒色を入れました。

 

家紋です。ほとんど色が取れてしまってしましたので見えづらくなっていましたが、くっきりと見やすくなりました。

墓地の向こう側は、須恵中央駅周辺になります。地域の皆様でお参りをされている、アットホームな雰囲気の墓地でのお仕事でした。お客様には、希望通りできていてよかったとご満足いただけました。今回は、コロナの影響で石の入荷が遅くなってしまい、長いことお待ちいただくことになってしまいました。それでも心棒強くお待ちいただきまして、本当にありがとうございました。地元の石材店ということで尋ねてきてくださり、とても嬉しかったです^^ 何かお困りの際には、またお気軽にお声かけいただければ幸いです。